食の宝をめぐって未来のバラ寿司にチャレンジ!≪じぶんで考える食の学校≫

イベントレポート

【キックオフ】カラフル健康バラ寿司のアイディアを考えよう!

2023.12.15 UP

プログラム開始!

香川県のバラ寿司は甘いことが特徴。江戸時代、貴重だった砂糖をたっぷり使ったバラ寿司は地域のご馳走でした。ところが現在、糖質の摂りすぎは体に良くないことが知られ、香川県でも健康志向が高まってきています。そして健康のヒントは「カラフル」!
今回のプログラムでは、食の宝をめぐり、未来につなぐ「カラフル健康バラ寿司」にチャレンジします!

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11月19日(日)。今回は高松市ふらっと仏生山でキックオフです。
参加者は香川県在住の小学校4~6年生20名。なんと開始時間より前に全員そろいました。やる気十分!

プログラム説明とやる気サポーターの紹介

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まずはKSBの安藤さんから挨拶とプログラムの説明です。安藤さんの「バラ寿司食べたことある人?」という質問に、多くの子が手を挙げていました。ただ、食べたことはあっても作ったことのある子は少ないようです。
また今回チームで考えるにあたって、自分と違う意見の人もいることを知ろうと呼びかけました。

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次に、やる気サポーターの紹介です。
大羽さんは社会課題解決に取り組む未来づくりカンパニーという会社の社長。岡山プログラムに引き続きアイディアの発想方法についてレクチャーしてくれます。
そして今回のファシリテーターは高松市総合教育センターの河田先生。ツアー全体を通してみんなのやる気を引き出します!

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学習院女子大学の教授である品川先生は、フードコンシャスネス(味わい)教育が専門分野。フードコンシャスネス研究所の所長でもあります。今回のキックオフでは、食事と健康、そして五感を使った味わい方を教えてくれます。

香川の社会課題は「健康問題」?

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まずは大羽さんから「日本の社会課題には何がある?」との問いかけ。子どもたちからSDGs、少子高齢化、地球温暖化などの答えが出てきました。今回注目する社会課題は「健康問題」。不健康なことは医療費の増大につながり、年金問題などにも発展します。
また、日本では農家さんや漁師さんが減ってきていること、食の未来が危ないことも伝えました。食は当然、健康と深い関わりがあります。

そして香川県で問題になっているのが「糖尿病」。香川県民の健康寿命は年々伸びてきているものの、糖尿病の患者数や死亡率ではいまだにワースト近くという状況です。糖尿病問題については参加者も全員知っているようでした。
今回のプロジェクトでは健康を意識した未来のバラ寿司をつくろう!と大羽さん。

自己紹介とチーム名決め

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ここでチームごとに自己紹介とチーム名決めをしてもらいます。初めはよそよそしい雰囲気でしたが、チーム名決めをしているうちに徐々に緊張がほぐれてきた様子。

Aチーム「ともふるチーム」
Bチーム「レインボーチーム」
Cチーム「スマイルいっぱい元気チーム」
Dチーム「ゲームよくするチーム」

このチームでカラフル健康バラ寿司づくりに挑戦してもらいます!

メニュー開発サポーター 林さんからのメッセージ

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次に、林亮平シェフからのビデオメッセージを見てもらいました。林シェフはミシュラン一つ星を獲得している東京南青山の「てのしま」の店主。香川県生まれ岡山県育ちの林さんは、和食を未来に伝えていくための活動にも積極的に取り組まれています。
岡山プログラムに引き続き、女将の紗里さんと一緒にみんなのカラフル健康バラ寿司のメニュー開発のサポートをしていただきます。
今回のプログラムでは林さんと女将さんはDAY-2のお昼からの参加となります。

香川のバラ寿司ってどんなお寿司?

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伝統的な香川のバラ寿司を知ろう!ということで今回お越しいただいたのは、郷土料理研究家の小池さんです。
香川県のバラ寿司は岡山県と同じく「ハレの日」のごちそうとして食べられていたことや、ちらし寿司やバラちらし、五目寿司などと呼ばれることもあると説明していただきました。
そして香川のバラ寿司の特徴として挙げられるのは、合わせ酢の配合。関東の合わせ酢と比べて砂糖が約2倍、塩が半分以下という配合の例もあるとのこと。香川のバラ寿司が甘いと言われるのも納得です。

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その他、地域によって入れる具材や作り方が異なることも教えていただきました。伝統的なバラ寿司といっても、本当に様々なものがあるのですね。

香川のバラ寿司を食べてみよう!

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場所を移動して、お待ちかねのバラ寿司試食タイムです。
今回ご用意いただいたのは多度津さくら工房のバラ寿司。なんと朝4時から作っていただいたとのこと!小池さんが食材の説明をしながら、仕上げの盛り付けをしていきます。

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定番の錦糸卵、しいたけ、エビなどのほか、多度津さくら工房のバラ寿司は新漬けオリーブが乗っていることが特徴。オリーブの産地ならではのバラ寿司です。完成後、小池さんが1人前ずつ取り分けていきます。

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取り分けが終わり、保護者の皆さんも一緒にいただきます!今回は卵豆腐と結び三つ葉の入ったお椀もご用意いただきました。

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そしてさらに登場したのが、高松市Ncafe&galleryのバラ寿司。ビーツで染めたレンコンと黒米が入った酢飯が特徴です。カラフルで華やかですね!酢飯も先ほどのものより酸味が強めで、地域や作り手によってバラ寿司にも違いがあることを実感してもらいました。

香川の食の力と産品の紹介

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会場に戻った後まずご登場いただいたのは、東かがわ市五名の木村さん。木村さんは食を通した地域活性化に取り組まれています。
「東かがわ市がどんなところか知っている?」と木村さんが問いかけると、「日本で初めてハマチの養殖に成功したところ!」とすぐに回答が。また東かがわ市は手袋の生産日本一でも有名ですね。
木村さんはかつて大病を患っていましたが、地域での交流と食を通して元気を取り戻し、その経験から地域に恩返しをしたいと思うようになったそうです。
五名では現在、いのししをはじめとしたジビエのブランド化も進められています。

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次に出てきたのは色とりどりの食材。全て香川県産のものです。子どもたちも興味津々の様子。JA香川県讃さん広場滝宮店の西村所長から、香川の様々な野菜や果物などについて紹介していただきました。土地の旬の恵みを使うのもバラ寿司の特徴ですね。気になる食材はあったでしょうか?

おいしいものは体にも良い食育ワークショップ

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次は品川先生によるワークショップ。今回は「おいしいものは体にも良い食育ワークショップ」と題してレクチャーしていただきます。
午前中にも話題に上がっていた香川県の食生活と健康問題のこと、そして「おいしい」という言葉の意味を解説していただきました。

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ここからは五感を使ったワークショップです。各チームのテーブルに置かれたAとBの紙皿。どちらもお皿に入っているのは切り干し大根ですが、状態が違います。品川先生から「AとBどちらが好き?」と問いかけられると、子どもたちはしっかり味わいながら、どんなふうに感じるのかを意見交換していました。

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次に配られたのはAとBの2種類の液体。Aはみかんジュース、Bはグレープフルーツジュースですが、改めてよく味わってみると様々な気づきがあったようです。
五感で味わって食べ物の先にいる人のことを考えよう、と品川先生からメッセージが送られました。

カラフル健康バラ寿司のアイディアを考えよう!

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大羽さんによるアイディア出しワークショップが始まりました。いよいよカラフル健康バラ寿司について考えていきます。
先日開催された岡山プログラムでの晴寿司の紹介もしながら、「かけ算発想」によるアイディア出しの方法をレクチャーしていただきました。
今回キーワードとなるのは「健康」。自分のことだけでなく、身の回りにいる人で健康的ではないこと、健康になってほしいことを各々ふせんに書き出していきます。

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ふせんをテーマごとにグルーピングする作業では、みんなが書いた内容を確認しながら、「これはここ?」など自主的に話し合う様子が見られました。各チーム、どんな健康をテーマにバラ寿司を作りたいか決めてもらいます。
隣のチームの話し声を聞いて「あっちのチームとテーマ被りそう!」などワイワイにぎやかに進めていました。

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テーマは最終的に次のように決定!
ともふるチーム「骨と筋肉を強くする」
レインボーチーム「運動でやせる」
スマイルいっぱい元気チーム「ストレスをなくして元気に生きる」
ゲームよくするチーム「おじいちゃん、おばあちゃんに元気でいてほしい」

次回11月23日(木・祝)までの宿題として、今回チームごとに決めたテーマに沿って各自カラフル健康バラ寿司のアイディアを考えてきてもらいます。次回DAY-1は小豆島です!