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番組審議会

第480回 瀬戸内海放送番組審議会

開催日 2018年3月16日(金) 午後3時~午後4時
内容
報告事項: 2月度視聴者応答状況、その他
審議テーマ: 『テレメンタリー2018「演じて看る~91歳 認知症介護の日常~」』
出席委員
< 出席委員 > < レポート出席委員 >
  • 伊賀 三千廣委員長
  • 尾﨑 勝
  • 前田 宗一委員
  • 田代 健委員
  • 磯打 千雅子委員
  • 徳永 夕子委員
  • 中村 進委員
  • 君島 浩委員
以上8名
  • 藤原 加奈委員
  • 野﨑 泰彦
主な意見 『テレメンタリー2018「演じて看る~91歳 認知症介護の日常~」』
  • 演劇を通じて介護の現場に明るさをもたらそうとする菅原さんの活動については、他の報道番組などでも見て知っていたが、この番組は作り方と視点を新たな方向に向けて、介護者である岡田さんを主軸に捉え、「作ったもの」のような印象を与えずに、介護現場の実例を比較的きちんと伝えることができていると感じた。
  • 率直に、このように番組を作られたことに「すごいな」と感銘を受け、誰かに自分が感じたことを伝えたいという気持ちにさせられた。演じることによる効能をコミュニケーションや介護の現場で活用することの可能性や、人生のパートナーとして共にあると実感できるような、時間を大切にした生き方など、学ぶことの多い有り難い番組だった。
  • 老々介護の現実を大げさにではなく淡々と描くことで、却ってその深刻さを痛感させられる反面、ほんわかとした夫婦の愛情も伝わり、見終わった後にホッとするなど、作品としての完成度の高さを感じた。ただ、冒頭は番組のコンセプトがやや分かりづらかった。また、視聴者が自分も「演じて看る」方法を取り入れたいと思った場合のヒント、情報があれば尚よかったと思う。
  • 認知症、老々介護という、社会的に非常に深刻で重要な問題を正面から取り上げたテーマ選定を、まずは高く評価したい。症状も状況も様々な中で敢えて一つの具体例に絞り、起承転結を明確にすることで、自分が直面している介護問題の答えを自ら見出す積極的な生き方もあるということに気づかせる、よいドキュメンタリー番組に仕上がった。ナレーションも、落ち着いた雰囲気で番組のコンセプトに合っていた。
  • 重大な社会問題として気にはなりつつ、なかなか具体的に考えるところまでいかない介護の日常を、リアルな映像として見せてくれた。家族ではない介護福祉士の菅原さんの存在が、介護者の岡田さんに苦労や怒りを乗り越えた深い愛情を抱かせるストーリー展開は、このドキュメンタリーに、誰でも手を差し伸べられるのだというメッセージ性を与えており、よい番組の運びであった。
  • 非常に深刻な介護問題を演劇という観点から取り上げ、さほど重苦しさを感じさせない番組に仕上げたテーマ設定の妙に感心した。しかし、演技を通じて介護の苦しみをコントロールするという方法が成功しているのは、岡田さんの個人的資質に因るところが大きいのではないかと思う。個人の力を頼り過ぎることのリスク、それを補う専門の介護施設の重要性も改めて感じた。
  • 演じて看る、すなはち、ボケを正さずに受け入れるという方法を、介護ストレスの中でも比重の高いコミュニケーション問題への解として示すなら、番組の中でその制作意図がわかる前振りをした方が視聴者には理解しやすく、また、インパクトをもって受け止められたのではないか。掃除や調理など、どうしても行き届かない部分を映したカットを挿入することで、間接的に介護の大変さを伝える撮り方には感心した。
  • 演じて看ることで心が救われる、ということが今一つ理解できなかった。見る人によって理解度は異なると思うので、どのような視聴者が見ても腑に落ちるようなきめ細かな導きがあれば尚よかった。また、番組のコンセプトを考えると、社会全体や周囲の人々が介護に対してどのように向き合っていけるのかという訴えかけが、最後にあってもよかったと思う。
  • 今回の番組は、介護の壮絶さだけを訴え視聴者に不安を与えるものとは違い、「演じて介護」という新たな向き合い方を通して介護に希望を見出したところに、とても意味があったと思う。岡田さんの生き方や、菅原さんの劇団に対する思いも素晴らしいと思った。それだけに、番組名については、よくある介護番組とは一線を画し、高齢者介護に希望を見出すものであることを匂わせるような副題を付けても良かったように思う。
  • 演ずることの楽しさで目の前の苦難を乗り切る糧とするにしても、岡田さんは、賢くストレスを発散することのできる、かなり特別な素地がある人なのではと感じた。「演じて看る」ことで介護の状況を改善する効果が期待されることは知ることができたが、もう少し他の実例紹介や、介護の専門家の解説などもあれば、更に有益な情報の提供になるのではと考える。

以上

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