テレメンタリー2023「解剖録は語る」

KSB放送日時
11月4日(土) 午後1時30分

※この番組は終了しました。

瀬戸内市のハンセン病療養所で見つかった
入所者約1800人分の解剖記録。

強制隔離政策の下、
解剖は正当に行われていたのか?

入所者の「生きた証し」と向き合う
遺族の思いは――

番組内容

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岡山県瀬戸内市のハンセン病療養所「長島愛生園」で2021年、入所者約1800人分の解剖記録が見つかった。愛媛県に住む三好真由美さんは、ハンセン病を患い、強制隔離された長島愛生園で自ら命を絶った曾祖母、政石コメさんの記録の開示を求めていた。今年になって届いたのは、どこにも残っていなかったはずのコメさんの写真。そして、遺族が今まで知り得なかった事実も判明した。コメさんは死後に解剖されていたのだ。本人が解剖に同意した記録も見つかったが、亡くなる7日前のものだった。

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ハンセン病患者やその家族が差別・偏見にさらされていた「強制隔離政策」の時代。社会から隔絶された療養所という空間で、解剖は正当に行われていたのか――。私たちは三好さんと同じ長島愛生園入所者の遺族で、医学者の木村真三さんに、外国語で書かれた解剖記録の解読を依頼した。木村さんは大伯父である仙太郎さんの記録を全国で初めて一般公開し、愛生園に残る他の入所者の記録についても医学的な検証に取り組んでいる。
これまでほとんど誰の目にも触れることがなかった記録=「生きた証し」は何を語るのか。明らかになった事実と向き合う遺族の思いや活動を伝えるとともに、「負の歴史」を後世へ残していく意義を考える。

ナレーション

ナレーション:石井 正則

石井 正則(いしい まさのり)

1973年、神奈川県出身。俳優、ナレーターとして幅広く活躍。
プライベートの時間を利用して全国に13ある国立ハンセン病療養所をまわって
大判カメラ「8×10」などで療養所の「現在」を撮影。
写真集『13(サーティーン) ハンセン病療養所からの言葉』(トランスビュー)を刊行したほか、
瀬戸内市や高松市などで写真展も開催した。