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桃リレー真っ最中!香川の本場!飯南地区の桃ちゃん家

齧ると、包み込むような甘さと香りが同時に広がる、桃。売り場で触りたい衝動にかられる果物です。
香川では、週替わりで品種が変わっていく桃リレー真っ最中!
産地で有名な山梨や福島のように、香川でもリレーが楽しめると知ったのは、今年のことです。
飯野山の南、丸亀市・飯南(はんなん)地区の林さんとの出会いからでした。


林さんの屋号は「桃ちゃん家」。かわいいネーミングは当時飼っていた猫の名前。
専業農家になったのは昨年のことです。それまでは公務員として働き、休日に手伝う程度でした。
林家3代前の当主は、明治時代に広島県尾道市から移住し、「飯南」地区で最初に桃の木を植えた二人のうちの一人。
林さんの曽祖父にあたる方が、桃の里作りの始まりに尽力したというワケです。

5月最終週の「ひめこなつ」からシーズンイン、皮をむくと枇杷のような黄色
「ひめこなつ」は、こんな大きさ

林さんが早期退職を決意したのは、桃を持って知り合いの家を訪ねた際のこと。
その家の小さな女の子が箱をあけた途端、「かわいい~」と愛おしそうに桃を撫でたその時が、運命の瞬間でした。自分が育てた桃で、心の通い合いができる、他にない充実感を得ることができると確信しました。

2番バッター 6月中旬の桃「ちよひめ」 小ぶりで繊細な白桃

6月後半は「日川白鳳」。果汁がしたたり落ちるほど、みずみずしい。

林さんの桃には、糖度やみずみずしさだけでなく、適度な酸味とコクがあります。
水はけのよい斜面が桃栽培には向いています。加えて、桃ちゃん家は、草生栽培。土はナギナタガヤという牧草系の雑草で覆われています。ナギナタガヤは、7月半ばに倒れて枯れ、その下では、微生物が繁殖して窒素を食べます。木の生育がおさえられて、実に栄養がいくという狙いです。

ナギナタガヤが茂る農園、林さんが選んだ多品目が植えられています

夏を迎えると、作業時間は早朝と夕方になります。
ある時思いついてデッキチェアを購入しました。
飯野山を眺めながら缶ビールを開ける!一日の疲れがとれる幸せな時間です。

なかでも3月下旬は、山肌がピンク色に染まる季節。林さんが見せたい、飯南地区が最も美しい季節です。

3月下旬、飯南地区は桃の花でピンク色に染まる
3月下旬、飯南地区は桃の花でピンク色に染まる

桃ちゃん家(ももちゃんち)
[住 所] 丸亀市飯山町川原
[電 話] 090-1577-5558
[営業時間] 8時~18時
※桃の出荷シーズンは5月終わりから8月初旬です。

<桃ちゃん家の桃リレー>
 ひめこなつ 5月末
 ちよひめ  6月中旬
 日川白鳳  6月後半
 加納岩白桃 7月初旬
 あかつき  7月中旬
 夏乙女   7月後半
 まさひめ  7月後半
 清水白桃 8月初旬
 紅錦香  8月初旬

(レポート:SANUKI TABLE 国見 香須子)

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