菅原です。ご投稿ありがとうございます。 アルツハイマー型の認知症を患い、不安や恐怖で泣かれている方に、どのように関わればいいのか。相談者様は、こちらの気持ちが届かないことに苦しい思いをされているかと思います。少しでもその方の不安や恐怖を和らげるために何かお役に立てればと思います。 ご本人も認知症を患い、今までできていたことがだんだんとできなくなり、さらに環境の変化により、不安と恐怖が増大しているのかもしれません。このような状態の時は、声かけだけでなく、五感に訴えかける関わり方がいいかもしれません。目、耳、鼻、舌、皮膚など。自分の世界から外の世界に意識を向けていただきます。 まずは、恐怖や不安を和らげるために、言葉だけではなく手を握るなどのスキンシップを通して、そばに寄り添ってみてはいかがでしょうか。ただ、じっと寄り添ってくれる人がいる。それだけでも不安や恐怖が和らぎ、自分の世界から抜け出すきっかけになることがあります。その際、懐かしい音楽や匂い、好みの食べ物などを用意して、「いまここ」が充実した体験になるように演出してみてもいいかもしれません。 ご本人が徐々に心を開き始めたら、散歩や外食に誘ってみましょう。安心できる人と何かを共に楽しむ体験が、「いま生きている」という前向きな気持ちを生み出します。 また、自分に自信を持つことができなくなっているかもしれませんので、何かできることを見つけてお願いをしてみましょう。「介護する」「される」という一方的な関係だけでなく、その関係を逆転させて、ご本人に何かをしてもらい、こちらが感謝するという関係を作ることで、再び自分に自信が持てるようになることがあります。 ただ、ご本人は外からの刺激を拒否する傾向があると思いますので、無理強いせずにゆっくりとしたペースで関わることが大切です。相談者様とご本人に「いまここを共に楽しむ」瞬間が訪れることを願っています。

こんにちは。岩佐です。ご投稿ありがとうございます。お母さまとお婆さまのお二人の介護、そしてお二人の子どもさんの子育て、日々お忙しく本当に大変な毎日を送られていることと思います。私の事業所で担当させていただいているご利用者のご家族にも、要介護高齢者と障がいを持たれたご家族の二人の介護をしている方や小さいお子さんを育てながら介護をしている方、両親二人を一人で介護している方、お一人で仕事をしながら複数人の介護をしないといけない方などが増えてきている印象があります。
さて、ご投稿者様は今現在はお母さまのほうの症状にお困りのご様子ですね。お母さまは、デイサービスはご利用中とのこと。デイサービスには行ってくださるのにショートステイは拒否されるのはなぜなのでしょう？認知症は、進行すると何も分からなくなる、意思疎通も完全にできなくなる…というふうに思われがちですが、中度、重度になっても、意思や想いはちゃんと持っている、と言われています。もしかしたら、娘さんやお孫さんのおられるご自宅が本当は大好きで、慣れないよその環境には泊まりたくないのかもしれませんね。隣人やお迎えの職員さんに怒鳴られる時は何か不安に感じられることがあったのかもしれません。毎日の介護は本当に大変で、頭で分かっているようには出来なくて、それが普通です。ですが、少し気持ちを緩やかに、お時間がある時、お茶でも飲みながらお母さまの気持ちを聞いてみてさし上げてください。とは言え、教科書どおりの対応は難しいものです。ひとくちに“認知症”と言っても、その症状はさまざまです。物忘れだけがどんどんひどくなる、発症前と人が変わってしまったように怒りっぽくなる、もともとの頑固な性格が輪をかけて強くなる、徘徊が激しくなる……。“急に怒る”というのは元からの性格、と書いてくださっていますが、少なからず認知症の症状のひとつと推察します。かかりつけの先生に、攻撃的で困られている症状について、まずは相談してみられてはどうでしょうか。興奮や易怒性（怒りっぽい）はお薬のコントロールで緩和されることもあります。また、もし主治医とお母さまの関係性が作られているようであれば、お医者さんからショートステイを勧めてもらう、などの方法もあります。最近は、認知症専門のデイサービスも増えてきています。
仕事、子育て、介護。現在の社会問題でもある介護離職などを含め、ご投稿者様と同じ悩みを抱えておられる現役世代の方はたくさんおられます。我々専門職のこれからの課題でもあります。担当のケアマネジャーさんや主治医、通っておられるデイサービスの職員の方々など、周りの人に気持ちや不安を聞いてもらったり、時には思い切って手を抜いたりして、どうかお一人で抱えこまれないようにと思います。

こんにちは山下です。ご投稿ありがとうございます。日々の介護、頑張ってらっしゃいますね。実は私の義父も在宅介護の真っ最中。私も通いながらサポートしていますので相談者様と重なってお悩みをお伺いさせていただきました。
専門職という立派なお立場でいらっしゃる相談者様でも感情の起状があるとのこと、私も介護者でありながら拝読し『同じだぁ』と少し安心しました。
在宅の介護ではこのような事に陥ってしまうことは必ずありますね。その為に地域の在宅介護支援センターや地域包括支援センターでは様々な相談に応じて介護等のニーズに対応した相談、助言を受けてくれます。しかしながら相談者様のようにご活躍されている男性が実際、電話したり、出かけたりという事ができないことも想像できます。相談者様のように、家族中で協力体制を作り、適正なサービス導入をしながら在宅介護を継続できていることを、在宅介護中の男性の多くの皆様に知っていただきたい、多くの在宅介護中の方の目に留まってほしいですね。今回の相談者様のお言葉が男性在宅介護者の皆様に響いたことと思います。
男女問わず、つい閉鎖的になりがちな在宅の介護を、ご家族間でも話しする機会を多くもちながら、『介護』に向き合い、楽しく感じてほしいです。『介護』って一瞬で消えていくものですが、こんなに心が穏やかで、尊い時間を過ごせる幸せを感じながらも、フッと深い苦悩に陥ってしまう場合があります。そんな時は、信頼のおける、担当ケアマネジャーさんに聞いてもらったり、家族間でも話しながらも、時に手をぬいたり、時に他人に任せきってしまったりしながら小さな幸せを積み重ねながら『介護』を楽しんでください。