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演じて看る ~91歳 認知症介護を救った演劇~

番組紹介

認知症の妻を介護 91歳の苦しみ

「殺してやろうか―」“おかじい”こと、岡田忠雄さんが91歳となった今も続ける日記にはこう書かれていた。妻・郁子さん(91)が約10年前に認知症を患ってから、自宅で介護を続けてきた。夜中に徘徊して近所の家の前で寝たり、「財布盗ったのあんたでしょ!」と罵声をあげたりする郁子さんに、何度も手をあげてしまった。夫婦2人きりの生活は大きく変わった。介護施設に預けたい・・・。

介護救った “ぼけを受け入れる演技”

介護に苦しんでいた時、“老いや認知症”をテーマに活動する劇団に出会った。主宰は俳優経験のある“介護福祉士”菅原直樹さん。菅原さんが伝えることは“演じて介護”。介護者が認知症患者の“ぼけ”を正さずに受け入れる。患者の感情に寄り添うことで、“今を楽しむ”ことができ、お互いが幸せになれると考えている。おかじいは“演じて介護”で救われ、腹が立つことはなくなった。ようやく順番がまわってきた介護施設への入所も断った。「いないとさびしい、家族だから」。

演劇に見い出した “生きがい”

岡田さんは劇団で看板俳優として活動し始め、生きがいを見つけた。毎年、舞台に立ち続け、2017年のクリスマスには脳梗塞で半身不随となった主人公を演じた。演劇は現実を変え、現実は新たな演劇を生み出そうとしていた。“演じて看る”、これが91歳の介護の日常。
2月に放送し、大きな反響を呼んだテレメンタリーの55分拡大版。