【レポート】10月10日開催 おかやま100人カイギvol.3

【ごあいさつ】
2019年10月10日(木)19時~21時に、KSB瀬戸内海放送開局50周年事業として、「おかやま100人カイギvol.3」を実施しました。

おかやま100人カイギ」は、岡山で新しいことを知りたい・やってみたい人同士が繋がり、地域に新しい動きが起こるきっかけとなる場をめざして企画したものです。

今回も、岡山市内を始め、倉敷市、浅口郡、井原市、さらに遠方は港区からも来てくださいました。みなさま本当にありがとうございました!今回ご都合が合わなかった方、来月以降も開催していきますので、ぜひご応募ください。

【イベントレポート】
開催に先立ち、KSBアナウンサーの中村康人より、今日のゴールは「ここにいる皆さんが知り合いになることです」とイベントの趣旨についての説明がありました。今回登壇するゲストをご紹介した後、アイスブレイクを。知り合い以外でグループを組み、お互いに自己紹介をしていただきました。それまで少し緊張感のあった会場の空気が、みるみるうちにやわらぎました。

【おまちかねのゲストトーク】
トップバッターは、めぐみ農園の岡本尚子(おかもと・ひさこ)さん。

住宅業界の営業をしていた頃、アトピー、シックハウス症候群などに悩むお客様に多く出会ったという岡本さん。体の中を治さなければいけないと感じ、一念発起して農家に転身。

就農時、女性一人で農業を始める事に対して感じた悔しい経験から、女性ネットワークの必要性を感じ、農水省「農業女子プロジェクト」に発足当初から参加。その後も「おかやま農業女子」を共同代表として立ち上げ、企業とのコラボの他、農業のこと・食べ物のことを知ってもらうため、収穫イベント等を多数開催されたことをお話くださいました。

また、昨年の西日本豪雨で被災し農業の収入が一時途絶えた経験から、農業に災害はつきものであるという逆転の発想をし、別事業として「彩糀弁当」をスタート。就農当初はほぼ一人で始めた農業ですが、今ではたくさんの人の協力を得ているそう。人と人とが交わることで生じる相乗効果と、新しいことへのチャレンジ、そして「食べることは生きること」という信念を忘れずに、今後も農業を続けていくという心強い言葉に、何人もの参加者が引きこまれている様子でした。

次は、ソーシャルインパクトボンド・プロデューサーの石原達也(いしはら・たつや)さん。

石原さんは、NPO法人を数多く起業している動機と理由を、小学生の頃の夢や学生時代に立ち上げたNPO団体の事を踏まえてお話くださいました。

「僕らが願うことは、僕らだけでは実現できない。人にはできる可能性がある。足りないのは“仕組み”だ」
この信念のもと、人口減少や少子高齢化に起因する課題を持つ中山間地域の支援、昨年の西日本豪雨災害を受けて官民連携する「災害支援ネットワークおかやま」の設立など、様々な社会課題の解決に挑む人たちの支援にご尽力されています。

また、“持続可能な瀬戸内海に”という想いで設立されたPS瀬戸内株式会社では、司会の中村アナウンサーも利用している「おかやまケンコー大作戦」を運営。利用者が健康になるだけではなく、行政、参加企業、出資者、全員が“四方よし”な状態を目指しているといいます。
このような社会活動を、学生時代を含めて20年以上続けられている石原さん。継続できた理由は、「当たり前になっていないことを、当たり前にしたい」という強い想い。参加者の皆さんは深く感銘を受けていたようでした。

前半最後は、金藤純子(かねとう・じゅんこ)さん。

35歳で岡山へUターンした際、就職氷河期の煽りを受けて正社員としての再就職ができず、時給750円のパートタイマーとして、ショッピングセンターの顧客分析システムを開発する株式会社リゾームへ入社。3か月後に正社員となった後も昇進を重ね、2007年から専務取締役を務めていらっしゃいます。
2014年放送「報・動・力」では、“未来は女性の手に”というテーマにゲスト出演し、ご自身のキャリアについてお話いただきました。

真備町在住の金藤さんは、昨年の西日本豪雨で自宅が被災し、真備記念病院へ避難。地域の自主防災組織について考えるようになったといいます。その経験を元に、自らインタビュアーとなってショッピングセンターの防災拠点としての役割を発信。その他、真備町の復興プロジェクトのためにアンケート収集を申し出るなどしています。普段、東京にいることも多い金藤さんですが、少し離れた地域からでも被災地のためのボランティア活動はできる、皆が繋がっているのだということを実感できたといいます。

人生に大きな影響を及ぼす出来事が発生したとしても、転びっぱなしで終わらないように、自分の役割を考えるきっかけとして欲しい。私も、残りの人生を「自分のテーマは何かな」と考えていろんな活動をしていきたい、というメッセージに参加者も何度も頷かれている様子でした。

休憩をはさんでゲストトーク後半。4人目は、画家のKAIさんです。

小学生のころから時代劇と絵が大好きで、侍ばかりを描いていたというKAIさん。8歳で初めて作品展を開いて以降、毎年開催しており芸歴は17年にもなるといいます。(中村アナウンサーも十数年前に取材させて頂いていたようです!)

そんなKAIさん、作品展用の制作だけではなく、地域のアートイベントや、店舗の壁面ペイントなど、活動場所がどんどん広がっているのだとか。昨年の「いばらアートループ商店街」では、撤収予定の卓球台を敢えて残し、子ども達が遊んでいる中で卓球台にライブペイントを行うなど、楽しく遊べる空間を作ったそうです。

作品には、毎日のネガティブな感情や悩みを昇華させているというKAIさん。その分、作品が完成したときの喜びは一入だそうです。そしてその感情が、作品を観てくれる人にも広がっていく。喜びの連鎖が嬉しい、と嬉しそうな様子で語ってくださいました。 「夢は、海外で活躍をすること!」と力強く宣言するKAIさんの最新の個展は、10月19日から。「難しく考えなくて良いので、ぜひ生で見て頂きたいです」とおっしゃっていました

最後に登場するのは、冷えとり靴下「くらしきぬ」ディレクター 戎晃子(えびす・あきこ)さんです。

戎さんは、第2子妊娠中に倦怠感や微熱などの不調を感じ、民間療法として冷えとり健康法を知ったそうです。様々な商品を使ってみたけれど好みのものがなく、これまで企画やライターの仕事をしていたため「私だったらこういう色にするのに、こういう紹介の仕方をするのに…」と考えていたところ、くらしきぬに出会ったとお話くださいました。「自分が子育てで感じた悩みを、自分が製品を作ることによって解消したい」と力強く発言する戎さんに、参加者も感服している様子でした。

また、ご自身の経験から、女性がしっかりと活躍するためには、周囲の協力がないと難しいと呼びかけます。大切なことは、子どもや夫への感謝の気持ちを忘れないこと。毎日言葉にして感謝の気持ちを伝えていると、子どもも分かってくれるといいます。「私が働く姿を見せることによって、子ども達に働くこと、生きることが楽しそうだと感じて欲しい」という戎さんの頼もしいお言葉に、参加者の皆さんは強くひきつけられていました。

【さらに盛り上がったネットワーキングタイム】
ゲストトークの後は、5つのグループに分かれてネットワーキングタイム。

ゲストが順番に輪に入り、参加者からの質問に答えたり、話し切れなかった事を伝えたりしていました。閉会後も、普段の仕事では出会えない業種の方々と名刺交換をするなど、皆さん新しい出会いに大盛り上がりでした。スタジオが閉まりロビーに移動した後も、話が尽きない様子で、数時間前の少し緊張した雰囲気が嘘のようでした。

「おかやま100人カイギ」は、登壇していただいたトークゲストが100人に達するまで毎月開催していきます。
vol.4は、11月7日(木)の午後7時スタート予定。
女性の働き方アドバイザー、真備町で年間13haのレタスを生産している農業家、災害対応ピクトグラム開発、学童保育施設のセンター長、吉備津彦神社の祝職など、次回も個性的でオモシロいゲストばかりです。お申込はこちらから!

最後に記念撮影!

レポート:おかやま100人カイギ事務局・岡田彩

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