KSBセレクションとは・・・
KSBが制作した作品の中から、受賞作品や反響の大きかったものを厳選して放送。
どの作品も制作者が熱い思いを抱き、独自の視点で迫った珠玉の一品です。
2月5日(日) 深夜1時10分から放送再放送:2月21日(火) 深夜2時25分から放送
小さな駅の物語
- 一次放送日
- 2013年7月7日(テレメンタリー2013)
番組内容
KSBスーパーJチャンネルでは2012年4月からほぼ毎月1本のペースでシリーズ「小さな駅の物語」を放送してきた。これらのローカル線には一日の利用客が50~60人以下という駅がたくさんある。そのいくつかは鉄道が開通した昭和初期の面影を残した木造駅舎で、時代に取り残されたかのようなたたずまいを持つ。そんな小さな駅の1日をスケッチするミニドキュメンタリーだ。
テーマは「一期一会」。アポイントなしで駅を訪ね、利用客や近隣の人たちに話しかける。ナレーションは一切なし。音楽も入れない。何も足さない、何も引かないシンプルなつくりだ。
たったそれだけの企画だが、そこには地域の置かれた現実が否応なしに映し出される。歯止めのきかない過疎。減少する利用客。中には1日の利用客が5人しかいない駅もある。寂れる周辺の商店。しかし、高校生や高齢者、障害者にとっては今も重要な足だ。何より、駅を愛する人々がいる。かつて駅はどんなに小さくても地域の中心だった。
当番組ではそんな小さな駅の日常を淡々とスケッチしながら、否応なしに忍び寄る過疎とそこに生きる人たちの姿を季節感あふれる映像を交えながら描く。それは間違いなく、日本の地方の現在を映し出す鏡だ。かすかな希望は子どもたちが未来を見つめる目だ。

雪の美作江見駅(美作市)
※番組内容は取材当時のものです。
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クワイ河に虹をかけた男
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制作者より
岡山県北を中心にJRの小さな駅を巡るシリーズをKSBスーパーJチャンネルで始めたのは2012年4月のことでした。姫新線、芸備線、因美線。朝から晩まで駅に張り付いての定点観測です。利用客が減少し、1日の利用客がわずか5人という駅もありました。周囲の商店は扉を閉ざし、過疎の深刻さは隠しようもありません。それでも地域の人たちは昭和初期に建てられた駅舎を花で飾り、慈しんでいました。決して見通しは明るくないかもしれませんが、地域を愛する人たちがいる限り、再生は可能なのではないか。そんな願いを込めて制作しました。
ナレーションがまったくないドキュメンタリーです。
(取材・構成 満田康弘)