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振り子方式が再び!JR四国の新型特急2700系の車両を公開 香川

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 JR四国は今年秋、新しい特急ディーゼル車両、2700系を導入します。実はおととし、2600系がデビューしたばかりですが、課題が見つかったため、新型車両を導入することになりました。

 JR四国の多度津工場で2700系特急形気動車2両が、報道関係者に公開されました。車両のデザインは2600系と同じく、赤と金色の流線形の模様に香川県の木、オリーブをモチーフにした緑のラインが加わりました。

(記者) 「2600系との違いは、この緑のラインだけではありません。一番大きな違いは、こちら車体の下にあります」

 カーブを曲がる際に車体を傾ける、振り子装置です。

 JR四国は1989年、世界で初めてディーゼルカーに「振り子方式」を採用した2000系を導入しました。スピードを落とさずに急カーブを走行できるため、山間部が多い四国で活躍しました。ただし、構造が複雑で整備費がかさむという難点もありました。

 老朽化した2000系の後継車両として、おととし導入した2600系では、「空気バネ方式」という新たな仕組みを採用しました。しかし、試験走行の結果、曲線区間が多い土讃線では、空気バネの制御に多くの空気が必要となり、その確保が難しいという「課題」が見つかったのです。

 このため量産化を断念し、2700系では再び振り子方式を採用しました。23日は特別に振り子装置で車両を傾ける デモンストレーションも行なわれました。

(JR四国 デザインプロジェクト担当室長/松岡哲也さん) 「コスト、メンテナンス性も考えて空気バネというところに挑戦はしてみたんですけど、やはり原点に回帰したと いうところで、またこの車両も新しい歴史をずっと紡いでいく車両になるのかなと思います」

 客室には最新の設備が導入されています。各座席にコンセントがあり、ノートパソコンなどが使いやすいようテーブルを大型化しました。また、これまで高知方面行きの特急列車にはなかった車いすスペースと、バリアフリー対応の多機能トイレを設置しています。


(記者) 「外国人観光客の増加を受けて、今回初めて各車両デッキに1カ所設けられたのが荷物置き場です。仕切りで上下に分かれていて、スーツケースなど大きな荷物を置くことができます」

 新型特急2700系の製造費は、4両合わせて約14億円です。試験走行を経て今年秋から土讃線を中心に営業運転を目指します。そして、2020年度中に2700系を40両ほど導入する予定です。

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