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通り魔殺人事件の遺族がNPOを支援「メンタルヘルス向上を」高松市

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 2005年、高松市で当時28歳の男性が、病院の精神科に入院中の男に刺殺されました。男性の遺族がメンタルヘルス向上に取り組む高松市のNPOの活動を支援しようと寄付を行いました。

 高知市の矢野千恵さん(68)が高松市の認定NPO法人、「マインドファースト」の事務所を訪れ、島津昌代理事長に寄付金50万円を手渡しました。

 矢野さんの長男、真木人さん(当時28)は2005年12月、高松市香川町の駐車場で、近くの病院の精神科に入院中の男(当時36)に包丁で刺されて死亡しました。

 矢野さん夫妻は、男の一時外出を許可した病院などを相手に損害賠償を求める民事裁判を起こしましたが、裁判所は病院側の過失を認めませんでした。

 「マインドファースト」では、メンタルヘルスに関する啓発活動や、臨床心理士らによる電話相談、自殺者遺族の支援などに取り組んでいます。

 矢野さんの裁判でも専門家の立場から鑑定意見を書くなど、支援してきました。矢野さんは、真木人さんの香典を 精神科医療の発展のために使いたいと考えていて、今回、民事裁判の集結を受けて寄付を申し出ました。

(息子を殺人事件で失った 矢野千恵さん) 「裁判に負けてしまったので、何か足跡を残したいというか礎になるものが欲しい。だけど自分の力は限られるし、年もとってきたし。私が個人で活動するよりは(マインドファーストは)もっと密着した、患者さんに密着した活動をされているわけなので、真木人の香典でいただいた分は役立つと思った次第です。ひとつの区切りですね、そういう意味では」

(認定NPO法人マインドファースト/島津昌代 理事長) 「すごく大きな責任を引き継いだような気持ちですね。自分たちの心を大切にしていく、周りの人の心のことも考えていける、そういう活動を、本当に地道に続けていきたいと思います」


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