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「1つ1つの治療を思い出しながら」 被災した歯科医院が再開に向けカルテ清掃 岡山・倉敷市真備町

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 1つ1つの治療を思い出しながら元に戻します。倉敷市真備町で被災した歯科医院が、再開に向け準備を進めています。

 倉敷市真備町箭田にある水川歯科医院。この場所で30年続く歯医者さんです。

 駐車場ではスタッフが何か一生懸命作業をしています。

 カルテの清掃です。約1万人分、10年間のカルテを1枚1枚丁寧にきれいにします。水川歯科医院は、西日本豪雨で診察室が天井裏まで浸水しました。

(水川歯科医院/水川正弘 院長) 「レントゲン室とかレントゲンがあったんですけど、それ完全に水没で他の細かい器具とかは、もう浮き上がっていろんなとこにバラバラに落ちてて全部泥だらけの状態でした」

 置いてあったカルテもすべて水に浸かってしまいました。

 通常、カルテは5年間の保存が義務付けられていますが、被災した場合は特例で処分することができます。それでも 処分するという選択はしませんでした。

(水川歯科医院/水川正弘 院長) 「今までの治療を記入したカルテというのは患者さんの命のようなものなので、みんなで一生懸命保存しておこうということを決めました」

(記者) 「大変な作業が続く中、きれいになったカルテがこちら中を見てみるとかなりきれいになっています。しかし、まだ下にはたくさんのカルテが残っています。すべて洗い終わるには2週間以上かかるそうです」

 スタッフ7人全員で1カ月間ほとんど毎日作業を続けていますが、1日にできるのは約150枚。1枚1枚、そして1人1人のことを思い出しながら、きれいにしていくそうです。

(水川歯科医院/水川正弘 院長) 「この人は、もう開業した頃から20年30年も通ってきてくださってる患者さんだなとか、この人は大変だったけど うまく治療ができてよかったなとかいうことを、スタッフと話をしながらやってます」


 患者さんの命であるカルテをきれいに、そして院内も新しくし10月29日に再開します。

(水川歯科医院/水川正弘 院長) 「私ができることっていうのは歯科医師としての治療なので、みなさんが健康で元気になれればいいなと思ってます」

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