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倉敷市真備町で水没のクラシックカー 姫路の専門学校で再生へ

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 水没したクラシックカーは、再び息を吹き返すのでしょうか。倉敷市真備町で水没した、昭和の名車を再生する作業に専門学校生が取り組んでいます。

 自動車実習棟内の様子ずらりと並んだ昭和の名車。これらはすべて、倉敷市真備町の「マビ昭和館」で保管されていたものです。

 西日本豪雨で浸水被害を受けたマビ昭和館。水は床上2メートルの高さまで、上がってきたといいます。館内にあった昭和の旧車や家具など、貴重なコレクションの多くが水没しました。

 被害を知った兵庫県姫路市の専門学校「日本工科大学校」は、水没した自動車を再生するプロジェクトを立ち上げ、ベテラン自動車整備士を中心に活動を始めました。

 教員らは、豪雨から約1カ月後の8月6日に真備町を訪れ、2日間かけて9台の自動車を学校へ持って帰りました。

(プロジェクトリーダー/松田 智志さん) 「エンジンの中にも水がいっぱい入っていて、オイルゲージからも水が吹き出すくらいでした。砂も。においもかなりきつかったですね」

 約20時間、泥水の中に沈んでいた車たち。ハイブリッド車や電気自動車なら間違いなく廃車になるところですが、古い車には希望がありました。

(プロジェクトリーダー/松田 智志さん) 「旧車に関しては電子制御を使っている数が少ないので、なんとか直るんじゃないかなと思いました」

 整備にあたるのは、自動車学部の学生20人と教員12人。活動はボランティアです。学生と教員がチームを組んで1台1台丁寧に直していきます。

(作業に当たる教官) (Q.素手で作業されるんですね) 「基本素手で。軍手とかしちゃうと糸くずが入ってしまうので、基本的には素手でしますね」

(学生はー) (Q.汚れるのは気になりませんか9 「汚れても洗ったら取れるんで、別に気にすることないですね」 (Q.部品を触った気分は?) 「気持ちいい」


 エンジン内部や配管の中には、水や細かい砂が入り込んでいました。それらをできるかぎり取り除いた上で、慎重に整備を行っていきます。

 1970年代に大ヒットした三菱自動車の「ギャランシグマ」は、美しいメタリックブラウンと、ヨーロッパ車のような風格のある車体が印象的です。

(記者) 「すこし車の中を見てみましょう。シートも革も大変きれいな状態です。中もほとんど気になるにおいはありません」

 これからエンジンの再始動に挑みます。浸水から50日あまり…はたして、車は息を吹き返すのでしょうか。

(学生はー) 「かけまーす」 (Q.どうですかエンジンがかかって) 「むっちゃうれしいです。最初はかからんかったんで。自分の車じゃないんですけど、すごくうれしいです」

(日本工科大学校/片山俊行 校長) 「車を愛する人間同士、なんとかできることはさせていただきたい」

 整備完了のめどは9月中旬。9台すべてを動く状態にして、真備に戻すことが目標です。

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