「海の神様」として知られ、親しみやすい庶民的なお社柄から、「こんぴらさん」の愛称で親しまれている金刀比羅宮。昔からお伊勢参りと共に、一生に一度はお参りすべきお社とされ、年間約400万人の参拝客が訪れます。また、1368段にも渡る長い長い石段でも有名です。
さらに、こんぴらさんは「日本美術の宝庫」でもあり、円山応挙ら当代屈指の芸術家が手がけた作品群を伝えるほか、表書院や奥書院は国の重要文化財に指定されています。
~金刀比羅宮 書院の美2007-2008 より引用~
金毘羅信仰の中心は近世の一般民衆であった。しかし、庶民の信仰とともに、近世の金刀比羅宮は徳川幕府や朝廷、諸大名、三井家に代表される富裕層からも支持を受けていた。
表書院の障壁画制作には、京画壇の最新状況に詳しい第10代別当宥存、経済的に他に並ぶものがない豪商三井家、平明な写生画風によって多くの支持層を開拓していた円山応挙という、京と金刀比羅宮の文化、経済環境が集約されているということができるだろう。京を遠く離れた四国の讃岐にありながら、金刀比羅宮が中央の文化、経済と直接関係を結んでいたことも、注目しておいてよいだろう。


